物理学も知らず、経済学も知らないで、コンピューターを動かすことだけ知っても、それはコンピューターの専門家であって、物理学の研究者でも経済学を勉強する学生でもない。専門の基礎的な知識なしに、コンピューターを動かすことだけ知るのは、学問にとって有害である。大学の学問は、その専門の考え方を身につけることであって、コンピューターに頼ると、この基本を忘れることになる。情報が多くなったから、それを処理する技術も進歩してきている。しかし、手軽に処理することばかりおぽえると、学問の基本を身につけないで、大学を卒業することになる。しょせん、学生は徒弟である。基本のことは学んでおかなければならない。そのうえで省略法を身につけることはよいであろう。ところが、学生に要求される情報量が非常な勢いでふえてきたので、この基本をいちいち消化している暇がない、というのが現状かもしれない。そこでさまざまの省略法が発達することになる。
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