石川六郎日商会頭の進退問題にいち早く言及

2011.08.15

自民党前副剛総裁・金丸信被告に、建設業界がヤミ献金していたのではないか、という疑惑が浮上したことで、日商(日本商工会議所)の石川六郎会頭の進退が問題視された。I氏は建設大手・鹿島建設の会長を務めており、この疑惑が表面化したとき、一旦は日商会頭を辞任する意思を固めたと伝えられた。しかし、その後、政治資金規正法を超えた政治献金、いわゆるヤミ献金が行われていたかどうかの事実関係が明確になっていない時点で辞任するのは、時期尚早と慰留する声が財界内部で支配的だったことから、I氏が、「事実の解明があったときは、その内容によって(日商会頭の)職務全うを求めている全国の商工会議所にあらためて(進退の)意見を聞く」と語り、進退問題は先送りとなった。(九三年七月末にI氏は辞任を決意した)建設業界によるヤミ献金疑惑が明らかになったとき、日商会頭であるI氏に進退問題で厳しくけじめを求めたのがK氏だった。「(疑惑調査の)結論が見えない段階で進退うんぬんは早い」(平岩外四経団連会長)「事実関係がはっきり掌握できていない。データ不足だ。仮定や憶測でのコメントは差し控えたい」(速水優経済同友会代表幹事)「いまは周りで騒がないで、Iさんが静かに考えられる環境をつくってあげるのが親切。周りで騒ぐと間違った判断をしてしまう」(永野健日経連会長)このように、財界首脳がI氏の進退問題について冷静に推移を見守るとの姿勢で足並みをそろえていた中で、ズバリけじめを求めたK氏の発言は異彩を放った。財界首脳がI氏の進退問題に慎重だったのには、出身母体が起こした“事件”で財界人として責任を取っていたのではいくつ首があっても足らない、との考え方もあったからだ。しかし、過去には、昭和電工のS氏(現名誉会長)が経常赤字をだした責任をとって財界団体の役職をすべて退くなど、出身母体の問題で進退のけじめをつけた例はいくつもある。財界では“自分の頭の上のハエも追えないで”ということがよくいわれる。出身母体企業のこともきちんとできないのに何か財界活動だ、というわけだが、こうした考え方は過去の例に基づくものである。「政治改革に向け、財界には、それを積極的に推進するよう政界に注文をつけるべきだ、との意見が強い。それをするには財界人自らが襟を正さなければならない。ヤミ献金かどうか事実関係がはっきりしない段階とはいえ、出身母体がこうした疑惑に関わっていたのではないかと思われただけでも、道義的責任はある。ましてI氏は鹿島建設の会長である。出身母体が引き起こした疑惑だからと言い訳するのは、財界トップとしていかがなものか」(ある財界人)こうした意見をもつ財界人は結構多い。財界首脳がI氏の進退問題で慎重な姿勢をとるなか、K氏の「進退でけじめをつけるべきだ」との発言に拍手を送る財界人もかなりの数にのぼった。

[参考サイト]
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