1割しかない、壊れて捨てられるもの

2011.10.24

「マテリアルライフ(物の寿命)」の概念を整理します。物の寿命がつきるときは、第一に「そのものが傷んで使えなくなった」という時です。しかし、現代の消費文明では必ずしも物が傷んだから捨てるのではありません。フィルムのようなものは太陽の光が漏れてきたり、ある程度古くなると使えなくなる。これは材料がだめになって捨てる場合です。それから、椅子のように長く使っていたら、椅子の足が折れて捨てる、椅子の全体は壊れないけれども、一部が壊れてしまう、これもやはり材料の寿命という意味では。まともな寿命の終わり方ということになるわけです。このような寿命を「自然科学的寿命」と言います。ところが、多くのものはそうではありません。私たちが日常的に接するものとしては、例えば洋服は流行がありますので、新しくて2〜3回しか袖を通していなくても着なくなることがありますし、自分の体型が変わる。電化製品の場合には新機種が売り出されるということもあります。また、勉強机で、まだまだ使えるのだけれども、お子さんが成長して使えなくなってしまったので捨てる、引っ越しで捨てる、結婚したので古い物は全部捨てるということも多いのです。公共団体などでは予算がついたので一斉に机を更新することがあります。更新する机の中には新品に近い物があっても、一つだけ古い形の机を残しておくわけにいかない。だから、木の机を全部スチールの机に替えるということがあります。このような場合を「社会科学的寿命」と言います。社会科学的寿命は社会のシステムや習慣で捨てるので、みんなで力を合わせないと寿命をのばすことができない性質のものです。