イタリアの男性

2011.05.06

イタリアの男性は、美しい女性を前にすると、子供のように嬉しさを隠しきれない。私は友人のホテルマンの言葉を思い出していた。「僕たちサービス業にとってはね、貪欲に楽しもうとするお客様が一番嬉しいんだよ」彼は口ぐせのように言う。「もちろんそれはワガママばかりを言う客という意味じゃない。ルールをきちんとわきまえたうえで、食事でも何でも心から楽しみたいという意欲を感じさせてくれる人さ。そういうお客様には、こちらも必ず満足させてやるぞって奮起してしまうんだよね」そして、そういう人はひと目でわかる、まず服装に出ているからねと彼はよく言っていた。なるほど、それはこういう時に発揮されるわけなのね。この夜、彼女の着ていたドレスは白で、それはいかにもこの晩夏のダイニングルームにふさわしいものだった。触れると溶けてしまいそうにはかないシフォンのワンピースと、ジョーゼットのトロリと甘い襟なしのジャケット。そして真珠のロングネックレスの、それぞれ徴妙に違う白が重なりあって、蒼く暮れたテラスにふわっと華やいだ空気が流れた。