国境から三キロまでが限界か

2012.01.14

僕は橋のタイ側の扶にあったイミグレーションらしき小屋にいた兵士に、ミヤーワディまで行くことができるのか、と訊ねてみた。彼は言葉を選んだ。「ビルマに入国できるかどうかは、ビルマ側に訊いてください」僕は橋の下の川原を歩き、そこに停まっていた泥舟に乗って対岸に渡った。すると男がひとり近づいてきて、これに記入しろと大判のノートを差し出した。名前や国籍、パスポート番号を書いただけで、ミャーワディの町に入ることができた。

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ビルマ側から橋を眺めると、扶のところで分断されていた。それがビルマの現実だったのである。十年がたった。橋は普通に通行が可能になったと聞いていた。そこを渡り、ビルマ側に通じた会社や男の手配で、国境から十キロの聖地まで行ってみる。いまならできそうな気がした。しかし、メーソトに着いた翌朝、ホテルのフロントのスタッフは、「いろいろ調べてみたが、国境から十キロまで手配する会社はなかった」と頭をさげた。僕は諦めきれず、メーソトの街で訊きまわってみたが、やはり国境から三キロまでが限界のようだった。十キロのカンゴータタウンは諦めなければならないようだった。